沼津市井田(いた)地区で現在、菜の花が開花の見頃を迎えている。
井田地区では1982(昭和57)年から、民宿業などを手掛ける住民が中心となり、夏は海水浴客でにぎわう同地区の新たな呼び物にしようと、収穫を終えた水田を活用して菜の花の種まきから育成を行っている。近年高齢化が進む中、今シーズンは7人の地元民が昨年10月から作業に取り組み、約3万平方メートルの敷地に菜の花を咲かせた。
菜の花を管理する「井田魅力創出プロジェクト実行委員会」スタッフの弓削美幸さんは「生まれが井田地域で進学と同時に井田を離れたが、子どもが独立したことをきっかけに地元へ帰ってきた。子どものころに見慣れた、父たち先人が苦労して残した自然の風景を子どもたちに伝えたていきたい」と話す。
弓削さんによると、今年の開花は例年より遅く2月10日過ぎだったという。菜の花で作る「井田」の文字と富士山が見られる「煌(きら)めきの丘」(沼津市井田)には現在、多くのカメラマンたちが訪れ、にぎわいを見せている。
浜松から来たという夫婦は「新型コロナウイルスのせいで遠出もできなく、県内のフォトスポットを巡っている。今日は少し早い春を感じる景色が見られた」とほほ笑む。
菜の花の見頃は2月末まで続く見込みという。