沼津の外装専門工事会社「スエヒロ工業」(沼津市足高)が8月、男性の育児休暇へのアドバイスをまとめたリーフレット「男性育休 虎の巻」を制作した。
同社は1987(昭和62)年創業。静岡県や神奈川県を中心にマンションの大規模修繕工事や、外壁改修・塗装・防水工事のほか、新築・リフォーム工事やトレーニングジムの運営などを行っている。
昨年8月に、女性活躍推進に関する状況などが優良な企業に発行される認定「えるぼし」の2段階目を取得し、社内キッズスペースや、屋外の子どもの遊び場の整備、ベビーシッター割引券の導入などを行ってきた。男性社員のために制作した「男性育休 虎の巻」は、子どもを持つ女性社員にアンケートを行い、男性育休中に手伝ってほしいことや、産後の母親の体と心の状態などをまとめたもの。
同社経理部長で自身も4人の子どもの育児を行う大野友美さんは「男性育休により、子育ては女性がするのが当たり前という認識から、夫婦で分かち合うものという考え方に変化していってほしい。中小企業の建築現場では男性が育休を取るのは難しい面もあるが、男性育休を当たり前に、本人が望む期間取得できる環境をこれからも整えていきたい」と期待を込める。
同社で施工監督として活躍している土屋慧さんは9月、10日間の産休を取得。土屋さんは「まだ生後1カ月で、親としても経験値が浅く、子どもとも十分に意思疎通が取れないことが多い時期に、虎の巻は参考になった。この時期に育休を取って良かったと感じている」と話す。
虎の巻は同社のホームページで公開している。「自社だけでなく、男性育休を推進したいと思う会社などの役に立てればと思い公開を決めた。一人でも多くの人に役立ててもらえれば」と大野さんは話す。