ところてんやこんにゃくを製造・販売する「栗原商店」(清水町伏見)の現当主が今年に入って、4代目ではなく5代目ということが判明した。
同社は1869(明治2)年創業。現在はネットショップや三島広小路にある「甘味処 伊豆河童 三島広小路店」(三島市広小路町)を中心に営業する地元の老舗。
5代目に「昇格」したのは、現在の店主の栗原康浩さんで、叔父の葬儀をきっかけに、親族の情報を収集したところ、同店の系譜を示す家系図には、知られざる幻の創業者である牛太郎さんがいると判明したという。
牛太郎さんは創業者といわれてきた順吉さんの叔父。牛太郎さんの存在が明らかになったことで、初代・順吉さんから4代目・康浩さんまでの各代が、1代づつ「昇格」する格好となった。
栗原さんは「戦時中などの混乱期に、事業が絶えた時期があると聞いていたので、150年余りの歴史があるわりには歴代当主の数が少ないことに疑問を感じなかった」と話す。
今回の「昇格」を受け、「150年以上続く歴史に身の引き締まる思い」と話す栗原さん。家系図について「今回のことをSNSで投稿したところ、現在は交流のなかったはとこから連絡があるなど、うれしい出来事もあった。現在は6代目の襲名などは考えていないが、長くから受け継がれてきた味は今後も守りたい」と意気込む。