河津町田中にある、伊豆半島を代表する早咲きのサクラ「カワヅザクラ」の原木が2月17日、満開を迎えた。
カワヅザクラは、ハヤザキオオシマザクラとカンヒザクラの自然交雑種と推定されていて、その発祥は飯田典延(すけのぶ)さんの自宅前にある原木とされている。
1950(昭和30)年ごろ、典延さんの父親が河津町にかつてあった「峰キネマ劇場」付近でサクラによく似た木を発見し、自宅前に定植したのがきっかけ。原木からは多くの苗木が移植され、町内をはじめ日本全国に広がっている。
原木の前で記念撮影していた横浜市から来た男性は「今日が満開になるとは思っていなかった。家族で旅行に来て、寄ったら見事な満開に驚いた」と話す。
この日満開を宣言した河津町観光協会は、朝から問い合わせの電話が絶えず、職員たちが対応に追われた。職員の一人は「昨年の花見客は期間中80万人ほどだった。サクラは昨年に比べて1週間ほど早い見頃」と話す。原木は現在満開だが、河津川沿いの約800本のカワヅザクラは現在6分咲き程度。見頃は今週末から始まると予想する。
カワヅザクラの見頃は約1カ月間と長く、期間中は多くのイベントを企画しているという。同職員は「一足早い春の訪れを感じに河津まで足を伸ばしてほしい」と呼び掛ける。