伊東にある東海館(伊東市松原町)で3月5日、「第14回伊東温泉東海館まつり」内で、「ミス八重姫コンテスト」が開催された。
会場となった東海館は、1928(昭和3)年に創業した温泉旅館。建造物は幾度と増築され多くの観光客が利用したが、1997年に温泉旅館の営業を終了。その後2001年に伊東市の温泉文化を伝える文化施設として再活用し、国内だけでなく外国人も訪れる観光スポットとなった。漫画「テルマエ・ロマエ」の一部舞台としても知られる。
東海館まつりは伊東の文化を披露する場として年に1度開催している。会場では、同市の芸妓置屋協同組合メンバーらが芸者踊りや民謡、琴の演奏を披露し、会場に集まった100人近い参加者が伝統芸能に見入っていた。
「ミス八重姫コンテスト」は毎年5月に開く「伊東祐親(すけちか)祭」の武者行列の主役である八重姫役を選出するもの。
八重姫は、同地で活躍した武将・豪族の伊東祐親の三女で、「曽我物語」などでは源頼朝の最初の妻として長男を産んだとされる女性。頼朝との関係や逸話などには諸説あるが、同市内には、頼朝と八重姫が逢瀬を重ねたといわれる音無神社や八重姫を祭ったとされる最誓寺なども存在する。
同コンテストでは、事前応募の中から18歳から21歳の女性4人を最終選出し、審査員と来場者100人の投票により、最も八重姫のイメージに近い女性を選んだ。
第3回のグランプリに輝いたのは、同市出身・在住で会社員の渡邉萌香さん。渡邉さんは「高校卒業後、東京でバスガイドとして就職したが、伊東が好きすぎて週末の度に帰ってくるほどだった。昨年伊東に帰郷し、会社員をやっているが、仕事も伊東の暮らしもとても好き」と話す。
渡邉さんは「時間があれば、武者行列だけでなく、市内観光や市内PRのお手伝いもしたい」と意欲を見せる。