県立三島南高校(三島市大場)の北側に造成された分譲地「あこう田園」で12月17日、造成工事の落成式が行われた。
同分譲地は、静岡県が提唱している防災減災・地域成長モデル「内陸のフロンティア」を拓く取り組みとして、大場の赤王(あこう)地区に19の宅地を造成するプロジェクトの一環。計画するおよそ8900平方メートルの土地には、19の宅地のほかに、公園などのコミュニティースペースなどが広がる新たな「街」を形成した。
同地区の開発・販売を担当する加和太建設(三島市文教町)は、2015年から約1年半にわたり、フリーペーパーの制作を目的としたワークショップを開催。新しく入居する住人と交流できるように地域の自慢や魅力を調査・共有し、コミュニケーションの障壁を低くする施策なども行った。
この日の落成式には、豊岡武士はじめ地域自治体関係者や工事担当者、入居予定家族などおよそ80人が参加。式典の中で、同社の川合弘毅取締役は「日本の住宅は時間がたつにつれ価値が下がる『経年劣化』がほとんどだが、この土地はコミュニティーや住みやすさなど時間がたつにつれ魅力が増える『経年良化』するまちづくりを目指してきた」と説明をする。式典後には参加者全員で新しいまちづくりを記念して、バルーンリリースなどのイベントを行った。
入居者の中の一組で、現在都内で勤務する檜原稔明さんは「昨年4月まで伊豆に住んでいて、東京に転勤になったが、この土地の環境の良さと、周辺住民の人の良さを考えたとき、自身の10カ月の子どもを育てるのには最適な環境と思い購入した。通勤は新幹線で継続する」と話す。
妻の真未さんは「みんなが集まる楽しい家にしたい。今回の式典で見てみると自身らと同じ世代が多く、みんなで地域の人々と一緒に、まちづくりができることが今から楽しみ」と期待を寄せる。