旧土肥小学校(伊豆市土肥)で7月29日から31日、映画ワークショップ「伊豆映画大学」が開催された。
毎年8月1日から1カ月にわたり開催される「伊豆映画祭in土肥劇場」の前夜祭イベントとして開催。
参加者たちが映画作りを学ぶワークショップで、29日の座学に始まり、企画・シナリオ作りを体験、30日は土肥地区で撮影を行い、31日の夜には小学校で上映会を行うカリキュラムになっている。
イベントを企画し、映画祭の主催者である映画監督の瀬戸慎吾さんは「以前も子どもたちを対象としたワークショップを行ったことがあったが、今回は劇団員や役者さんなどの協力を得て、充実した内容になった。映画作りを通して、映画や土肥地区の魅力を知ってもらえれば、と思い企画した」と話す。
企画に参加したのは5人。参加者の一人で高校3年生の綱取杏香さんは「自身の進路の迷いなどを映画にしてみる企画を出したところ、多くの人の助言やアイデアが膨らみ映画になった。自身は舞台を中心に活動しているが、カメラを意識した演技や表情の作り方がとても参考になった」と話す。
31日20時からは、地元在住者を招待した上映会を開催。今年の3月まで使われていた校舎におよそ500インチのスクリーンを製作し、地元住民らを招待した。上映会では機材トラブルなどで一時中断するハプニングなどあったが、瀬戸さんが「中断中、夜空を見上げることができるのもこの上映会だけ」とコメントすると、参加者らは夜空を見上げ、その美しさに歓声を上げた。
上映は予定よりも1時間ほど押したが、終了後には大きな拍手が起こった。地元在住で上映会に訪れた男性は「土肥の地域には映画館がなくなっておよそ30年以上。毎年多くの映画がやってきて、映画の存在が近くなってきた。新しい夏の風物詩になってもらえれば」と感想を述べた。
8月1日から8日までは昨年より8本多い42作品の公募作品を上映する。瀬戸さんは「毎年映画の仕事との兼ね合いや人材不足など問題もあり『今年で最後』と思っているが4年目になった。日本で1番長いと自認している映画祭を10年になるまでは続けたい。映画に興味のある人に観覧だけでなく、参加できる映画祭になれば」とスタッフの参加も呼びかける。
映画祭は8月31日まで。