伊豆のショッピングモール「サントムーン柿田川」(清水町玉川)で9月21日、ステージイベント「ENGI-MON(えんぎ・もん)」が始まった。
主催は、熱海・三島・沼津などでパフォーミングアートを中心に活動している「スケイル・ラボラトリィ」。舞台監督の川上大二郎さんが企画・監修を行う。
今回の企画は、2019年にチェコで行われる「プラハ・カドリエンナーレ」で行われる演目で、今回が世界初公開となる。川上さんは同イベントについて「300件ほどの申し込みがあった中の25件の一つとして選ばれた。今回は現地で開催する前に日本の観客を前に、参加者がどのように楽しんでもらうか、世界で初公演に挑んだ」と話す。
今回の演目は、チェコの舞台になる場所の風土と歴史に注目。過去の戦争や不慮の事故で亡くなった人々のことを思い、「見えないものを楽しませる」日本の盆踊りから着想したという。舞踏家とダンサーによる巫女(みこ)的な役柄が中心となり、「おかめ」や「だるま」など日本の縁起物をモチーフにしたキャラクターや登場人物を踊りに取り入れている。
イベント初日は、舞踏家・ダンサー・写真家やイラストレーター、チンドン屋など13人のメンバーがショッピングモール各店舗に練り歩きからスタート。約30分のショッピングモール内を練り歩き、ショッピングモールの来場者は一様に驚きの様子を見せていた。
沼津市から来た20代女性は「最初音が鳴り始めて驚いたが、とても楽しい雰囲気でステージまで来た。今まで見たことのない光景で驚いた」と話す。
その後40分ほど行ったステージイベントでは、舞踏家の松岡大さんプロデュースによる舞踊から、会場周囲にいた来場者を巻き込んだ盆踊りに発展した。踊りでは静岡らしく「富士山」「サッカー」などをモチーフにしたポーズをとる人の姿もあった。最後には40人ほどの円となり、この日のイベントは終了した。
振り付けを担当した松岡さんは「今回は海外公演も意識し、言葉で伝える指導などは一切止めている。今後はもうワンクッション分かりやすい動きを教えられるよう参加者を満足できる流れを作りたい」と話す。川上さんは「今後、もっと子どもだけでなく多くの参加者が参加して『楽しい』を体験できる踊りに仕上げていきたい。できれば国内でもう何カ所か舞台を踏める機会を得たい」と話す。
イベントは22日13時30分からワークショップを行う予定。