日本では珍しい2本マストのトップスルスクーナー「帆船Ami号」の国際帆船レースと3カ月半にわたる航海の報告会が11月2日、沼津ラクーン(沼津市大手町)内「ぬまづのたかラボ」で行われた。
帆船Ami号は沼津市静浦港を母港とする日本では珍しい2本マストのトップスルスクーナーで、1990年に運用を開始。定員は20人、全長16.4メートル。船は、研修や観光用として活動している。
この日は、9月に韓国・ヨスからロシア・ウラジオストク間で行われた帆船レース「トール・シップ・レガッタ」への参加を報告。Ami号が参加したレースには日本・韓国・ロシア船籍の7艇の船が参加し、Ami号はクラス別2位の成績を収めた。
報告会では、航海期間中の映像を見ながら、船長の溜光男さんや5人のクルーがエピソードを話した。溜さんは「非常に天候に恵まれ、順風満帆な航海で、思いかけず賞も受賞でき、とてもうれしい」と振り返る。
航海について、クルーの染谷芳明さんは「船の中では食材が限られるが、その中でも多くの工夫が必要だった。日持ちする根菜類と卵を使った一汁一菜の食事を心がけた」とも。
今後について溜さんは「美しく安全な海である駿河湾の良さをさらに広め、今回の経験やレースの雰囲気を駿河湾に持っていきたい」と自身の経験を生かす活動に取り組んでいく意向を明かした。