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沼津の海岸に「オールドバス」 横浜から夫婦とともに「第三の人生」

「夕焼けの富士山がとてもきれいに見えるこの時間がいい」と話す舛本夫妻と愛犬の「うしいろ」とオールドバス

「夕焼けの富士山がとてもきれいに見えるこの時間がいい」と話す舛本夫妻と愛犬の「うしいろ」とオールドバス

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「The Old Bus(ザオールドバス)」が沼津の若松海水浴場(沼津市西浦久料)前にオープンして1カ月がたった。

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 同バスは1979(昭和54)年、浜松市を中心に運行する遠鉄バスとしてデビューしたが、その後、バスを改造し、横浜で30年ほど「バスバー」の愛称で、バーとして営業。車内はカウンター席とラウンジ席があり、バスの天井には訪れた客の名刺が隙間なく貼られているのが特徴。

 現在のオーナーである舛本佳奈子さんは「車両を気に入っていて、何度も通った。移設によりスクラップされるという話を聞き、このまま無くなるのはもったいないと思い、オーナーとして名乗りを上げた」と話す。

 舛本さんは2018年3月、バスの移動費と修復費を捻出するためクラウドファンディングで支援者を募り、目標額75万円を超えて達成。バスの存続先を引き継ぎ沼津に決めた。

 佳奈子さんは「友人の紹介で沼津を知り、場所を決定したが、移転先がある事情で一度頓挫しかけた。その際にいろんな人々が手助けしてくれた。沼津の人々の暖かさがとても印象的だった」と振り返る。

 その後バスを移転し、夏から夫の弘毅さんを中心に仲間たちと床の張り替えなどの工事に着手。同時にバスの向かいにある、2008年まで利用していた築60年以上の海の家も借り受け、リノベーションも開始。「バスだけでなく、海の家の空間を使い、ギャラリーや貸しスペース、ライブなどもできたら」と佳奈子さん。

 現在は3月までの期間限定の「試運転」と設定し、週4日ほどの営業を行っている。現在はチルアウトスペースとして、休憩場所の提供のほか、自家焙煎したコーヒーなどを提供している。

 訪れる来客について「パーティーの予約があったり、地元の人の談笑の場になったり、さまざまな用途に使ってくれる。多くの人はバスのフォームが気になって訪れる人や、外国人旅行者なども来ることも。バスから見える富士山に感動する人もいる」と佳奈子さん。

 若い夫婦と始まったバスの「第3の人生」。今後については「試運転期間中に、どのような営業方法をしようか考えているが、この土地に根ざしたことを行い、自分たちのペースで暮らしていければ。このバスにも時間を忘れてゆっくり訪れる人に来てもらいたい」と話す。

 利用料は1,000円(ワンドリンク付き)。営業時間・予約はフェイスブックページで受け付ける。

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