国立遺伝学研究所(三島市谷田、TEL 055-981-5873)で4月6日、一般公開イベントが開催される。
1949(昭和24)年に開設し、今年70周年を迎える同施設。国内外の研究者など約500人が勤務する施設内では遺伝学の最先端研究のほか、ゲノム解析分野では世界でも有数の設備と技術を誇り、多方面に情報提供を行っている。
例年多くの人を集めているのが同施設で栽培されている、通称「遺伝研の桜」。同施設には研究用として、敷地内約1.5キロにおよぶ遊歩道に220品種、300本のサクラが並ぶ。日本にあるサクラ約600品種の3分の1に相当するという。毎年1日だけ行う施設の一般開放にはサクラを目当てに1日3000人ほどの人が集まる。
同施設のサクラは、施設設立当時にソメイヨシノの起源について研究していた竹中要博士が研究用として収集・交配して増やしたもの。施設内に植えられたサクラは竹中博士の退所後に研究として使う機会がなく、自然に成長を続けている。中にはサクラ同士が自然交配し、命名されていない品種も数本存在するという。
今年は開設70周年として、4月1日に新品種の1本を「半兵衛白紅桜」と命名し、命名式を行った。品種の名前の由来は、サクラの研究者である竹中博士の愛称である「半兵衛」から取ったという。
同施設広報担当者の清水美茂子さんは「今年はソメイヨシノ系のサクラの開花のタイミングに合った。施設内には多種のサクラもあり、珍しい花を咲かせる花もある。ぜひ同じサクラでもその多様さを見比べてほしい」と話す。
イベント当日は、研究者による講演会、スタンプラリーなども行う。清水さんは「大人だけでなく、子どもたちも来場し、遺伝学研究の魅力に触れてもらいたい」と呼び掛ける。
開催時間は9時~16時。