沼津ラクーン(沼津市大手町)で12月20日から、イベント「空中音楽会」が開催される。主催は伊豆半島を拠点にパフォーミングアーツを展開するアート集団「スケイルラボラトリィ。
同団体は、空き店舗やビルの空きフロア、閉店した銭湯などを会場に、熱海や三島、沼津などで空きスペースを活用したアートイベントを展開するのが特徴で、今回はかつてデパートだった駅前のビルの3階と8階の2フロアで開催する。
イベントは3日間で、乳幼児を対象とした「くものなかおんがくかい」、子どもを対象とした「そらからつくるおんがくかい」、25歳以下を対象とした「妄想LIVE!U25」、大人向けの「太陽と月の音楽会」の4コンテンツから構成される。
今回の「くものなかおんがくかい」を企画担当し、自ら演奏する打楽器奏者の鈴木彩さんは「以前この場所で行った演奏会では、子どもの入場を制限したことがあったが、次回は子どもたちが楽しめる演奏会をしたいと考えた」ときっかけを話す。
演奏会は、マリンバの音盤や鉄輪、アルミ製のチューブなどを店長からつり下げたものを、壁に映し出された映像に合わせて音を出して演奏する。空中に浮遊する楽器の演奏について鈴木さんは「音も浮いている感じ」だと感想を話す。
8階で行われる「太陽と月の演奏会」では、鈴木さんと舞踏家である松岡大さんとのコラボレーションステージも開催する予定。8階のステージには、街を表現するビルなどのジオラマを作成し、あたかも巨大化した演者たちがステージを繰り広げる演出になっている。
美術担当で、スケイルラボラトリィ主宰の川上大二郎さんは「空中音楽会というとビルの屋上など、高い場所での演奏会をイメージしがちだが、今回のステージは来場者にとっての目線の移動による『空中』を意識してもらいたい。それぞれの目線を楽しみ、多くの世代が集まってくれれば」と来場を呼び掛ける。
イベントは22日まで。演目やスケジュールは同イベントホームページまで。