伊豆のカピバラ温泉イベント始まる-母を亡くした家族が温泉で「つながる」

手前でゆっくり温泉につかる雷、その奥にいるのが長男のがんも。3頭の子どもたちも寄り添って入浴している。

手前でゆっくり温泉につかる雷、その奥にいるのが長男のがんも。3頭の子どもたちも寄り添って入浴している。

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 伊豆シャボテン公園(伊東市富戸)で10月23日、同園の名物企画「元祖カピバラの露天風呂」が始まった。

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 同企画は30年以上続くもので、日本でカピバラが温泉に入る企画を行ったのは日本で初。1982(昭和57)年の冬に飼育員が温水で清掃したところ、温水で入浴したのがきっかけ。以降、展示場に入浴施設を造り、入浴タイムを設け、伊豆の冬の風物詩となった。

 今年は開園55周年ということで展示場をリニューアル。より来場者が観察し、親しんでもらうために入浴施設と観覧スペースを1メートルほどに縮め、より身近に観察し、記念撮影できるように変更した。

 25日午前の伊東地方の天候は雨。気温も12度ほどと寒かったが、カピバラの一家の父親である「雷(らい)」を中心とし、がんも(1歳)、今年5月に産まれたマロン・タコス・もなかの5頭が温水のたまった池に入り体を温めた。

 温泉には温泉成分などは含まれず、水をボイラーで温めたものだが、温度は人間が心地いいと思われる40度に設定。10時30分に入浴を開始したカピバラたちは1時間ほどの入浴を楽しみ、巣へと戻った。

 展示場を見学に来た東京都在住の山口凛さんはカピバラの入浴姿に「とてもかわいいと思った」と話し、妹の優さんは「気持ちよさそうに見える」と感想を述べた。

 カピバラの家族には雷の妻で4匹の母親である「いくら」が一緒に住んでいたが、同施設のオープン前である11月6日に急死。雷はシングルファザーとして4頭のカピバラを育てることになった。

 同園広報の山本江理さんは「死んだ当初はイクラを探して鳴いていたり、飼育室内を探したり姿を見られた」と話す。4頭の子どもたちは常にイクラと一緒に行動していたため、その後の動向が気になったという。

 新施設のオープンと新しい展示場に心配したスタッフたちだったが、雷を中心とした家族たちは一緒に行動し、現在では入浴中も雷を中心に温浴を楽しんでいる。

 「カピバラの一家も新しい施設に不安があったため、より一層の絆が生まれたのでは。家族全員が温泉を通してつながりが強まったようにも見える」(山本さん)とも。

 今後のカピバラの一家については、「子どもたちも含めて元気にたくましく育ってほしい。来園者の皆さまも頑張る家族の姿を見守ってくれれば」(同)と話す。

 カピバラの入浴時間は、平日=10時30分、土曜・日曜・祝日=10時30分と13時30分の2回。

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