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沼津市戸田のゲストハウスでまちづくり講演会 石巻のカフェを事例に意見交換会も

講演会に登壇する亀山さん

講演会に登壇する亀山さん

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 講演会「暮らしの豊かさ」が11月4日、ゲストハウス「タゴール・ハーバーホステル」(沼津市戸田)で行われた。

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 まめくらし(東京都杉並区)の青木純さんと一般社団法人はまのね(宮城県石巻市)代表理事の亀山貴一さんを招いて開いた。前半は亀山さんによる講演、後半は青木さんと亀山さん、沼津市でのまちづくり実践者13人による意見交換会を行った。

 亀山さんは宮城県石巻市の蛤浜地区出身で、宮城県水産高校で教師として勤務していたが、東日本大震災で妻と家を失った。2世帯5人までに減少した故郷、石巻市の蛤浜地区で2012(平成24)年に「蛤浜プロジェクト」を立ち上げ、2013(平成25)年にカフェ「はまぐり堂」をオープン。2014(平成26)年に「はまのね」を立ち上げマリンアクティビティーや漁業、狩猟などの6次産業化に取り組んでいる。

 亀山さんは浜の豊かな暮らしを残したいと、被災してばらばらになった人たちが集まれる場所としてカフェを作り、年間約1万5000人が訪れるようになった経緯や、利用客が増えすぎて地元住民から反発を受けた失敗談、「根こそぎ」捕る漁業から「増やす」漁業に取り組んでいることなどを紹介した。

 意見交換会では、参加者から「変えたくても変えられない地域の現状がある」「良かれと思ってやったことが住民に理解されない」や「戸田や内浦西浦とまちなかのつながりが少しずつ増して伸びしろを感じられるようになった」などの意見が出た。

 亀山さんは意見に対して「楽しんでもらいたい、喜んでもらいたいということがベースにある。みんなが楽しく前向きにできることを焦らず、一歩ずつ丁寧に取り組むことが大切。人・自然・経済、3つのバランスを考え、自分ごととして動ける人を増やしていく」と自身の経験に基づいてコメントした。

 青木さんは「戸田と蛤浜の状況が似ていて、タゴールという拠点から新たな船団が生まれる可能性を育みたくて亀山さんに戸田での講演をお願いした」と目的を話す。「コロナ禍の難しい状況において、厳しい局面から前向きに未来を築いている亀山さんの話に参加者は希望を見つけることができたのでは」と今回の成果について振り返る。

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