東京2020パラリンピック車いすラグビー銅メダリストの若山英史選手が9月14日、放課後等デイサービスなどを運営している「アイエスエフネットジョイ」(沼津市西条町)を訪れ、交流を行った。
若山さんは東京都出身で小学校入学前に沼津市に引っ越し、現在も在住し活動している。19歳の時にプールの飛び込み事故で頸椎(けいつい)を損傷し、胸から下がまひし両手の握力がほとんどない状態だという。入院中リハビリ施設で車いすラグビーのDVDを見て、競技を始めた。パラリンピックには3大会連続出場し、リオ大会と東京大会で銅メダルを獲得した。
この日は同施設の利用者と職員、約30人が若山さんと交流。若山さんは、東京パラリンピックの感想や、車いすラグビーの魅力、今後の夢などを講演した後、参加者からの質問に答えたり、メダルを見せたりして交流を深めた。
これまでつらかったことについて問われた若山さんは「つらかったのはけがをしたその時。つらいことも、考え方一つでポジティブに変えることができる。不便だけど不幸ではない。車いすラグビーとの出合いが世界を目指すきっかけになった」と話した。
参加者の一人は「メダルは思ったより大きくて驚いた。表面に点字が入っていて側面には競技名が刻印されているとは知らなかった」と感想を伝えた。
若山さんは「市役所に大きな看板を掲げてもらい、地元からもたくさん応援してもらい感謝している。東京大会で金メダルを取ることを目指して練習してきたが、今回もかなえることができず悔しさが残っている」と話す。今後について「パリに向けて、上を目指していきたい。試合に向け食事制限をしていたので、今は大好きな焼き肉を食べたい。特に沼津駅北口の『竜まる』が好き」と笑顔を見せた。