沼津市内浦・西浦地区の魅力を子どもたちが発信するフリーペーパー「うらっち」の取材が10月10日、西浦のミカン畑で行われた。
地元の小中学生が制作を通して地域の魅力を発信する「コロマガプロジェクト」の内浦・西浦地区版。子どもたちが地元を取材し、イラストを描き、写真を撮って地域情報誌を制作する。2020年に創刊し、今年で2号目。
子どもたちは6月に地元で活躍するプロのカメラマンや新聞記者、イラストレーター、デザイナーなどから講義を受け、これまでに和洋菓子店や民宿、マダイの稚魚の沖出しなどの取材を行ってきた。
この日は沼津市立長井崎小中一貫学校の生徒7人が参加。西浦久連の矢岸正敏さんのミカン畑を訪れ、ミカンの歴史を学んだ後、10月に出荷される「極早生みかん由良」の収穫体験を行った。収穫を終え、久連公民館に移動し「BARとらちゃん」(内浦重寺)店主の石津太雅さんの指導の下、収穫したミカンと西浦産のライムなどを使ったノンアルコールカクテル作りに臨んだ。
参加した大城柚稀さんは「ミカン畑に着くまで急坂を上っていくのが大変だったけど、ミカン畑で食べる自分で収穫したミカンはとてもおいしかった」、渡辺奈央さんは「矢岸さんから聞いたミカンの歴史が勉強になった。グラスの縁につけた付けた戸田塩を少しなめてから飲むミカンカクテルは、味わいの変化が感じられた」と話した。
石津さんは「西浦はミカンだけでなくレモンやライムを作っていることを子どもたちに知ってもらい、地産地消を考えるきっかけにしてもらえたら。レシピが大人向けの味だったが、子どもたちからはさまざまなアイデアが飛び交った。ミカンは食べるだけでなく、物事は何でも可能性は無限大だということを学んで、地元を大切にする人に育ってほしい」と話した。
同プロジェクト制作運営協議会の山田貴久さんは「緊急事態宣言の影響で、一時取材が中断したが、こうしてまた再開できてほっとしている」と笑顔を見せた。
今後、うずわみそ造りや海遊びなどの取材を経て編集作業に入り、来年1月下旬から2月上旬に完成披露発表会を行う予定。