「わたなべ農園」(清水町徳倉)が保有する水田で10月16日、緑米(みどりまい)の収穫が始まった。
わたなべ農園は、清水町で代々農業を営む。4代目の渡辺祐一さんと家族を中心に経営。耕作地は約1万5000坪で、通年で40種類の農産物を栽培・販売している。
同農園では、父の一男さんの代から緑米の育成に携わっていて、20年以上栽培している。
緑米は日本古来の古代米の一種で、白米に比べ鉄分・亜鉛が多く含まれている。渡辺さんは栽培について「同時期に穂が実らず、選別も白米と比べて軽いため難しい。しかし白米に比べビタミンなども豊富で、味も良く、玄米よりも扱いが簡単だ」と話す。
清水町内で緑米を取り扱うのは同農園が唯一で、耕作面積はおよそ8000平方メートル。苗を植えるところから収穫までの作業を渡辺さん一家でほとんど行うという。
当日は大きく実った緑米を渡辺さんはコンバインで収穫を開始。収穫の総量は2.4トン、米俵に換算するとおよそ40俵の収穫となった。
渡辺さんが収穫した緑米は、町内外の飲食店や同農園の販売所、ネット販売が中心だが、近年は愛好者が多く、収穫予定の緑米のほとんどは出荷が決まっていて、一般に販売する数は限られているという。
渡辺さんは「生産量が限られているが、白米と混ぜることで味と栄養素が補える食品として使っていってもらいたい。現在は自身でぽんフレークなどの商品も開発しているが、加工メーカーとの協力で新商品の開発も行って行ければ」と意欲を見せる。
今年の新米は11月上旬を予定している。