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沼津御用邸で「栗名月の宴」 月夜の下で能の披露

「栗名月の宴」の様子

「栗名月の宴」の様子

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 沼津御用邸記念公園(沼津市下香貫)で10月23日、「栗名月の宴」が行われた。

能について解説する辰巳満次郎さん

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 沼津御用邸は旧御用邸の一つで、1969(昭和44)年まで皇室が利用していた。1970(昭和45)年7月に沼津御用邸記念公園として一般にも開放。西付属邸には皇室ゆかりの所蔵品が展示されている。2016(平成28)年には同園の一部の景観が「旧沼津御用邸苑地」として国名勝指定を受けた。

 例年、栗名月に合わせて開催している同イベント。東付属邸の庭園を舞台に、重要無形文化財総合指定保持者の能楽師、辰巳満次郎さんによる謡や仕舞が披露され、市内外から約70人が訪れた。観賞後、「マウント・フジ・ブリューイング」(富士宮市大宮町)の総料理長、辻山明信さんによる特製フレンチ弁当が振る舞われ、藤井聡太棋聖が第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負でおやつとして食べた「水神餅」が土産として来場者に渡された。

 辰巳さんは「古典芸能は分かりにくく、とっつきにくいという声もあるが、過剰な足し算をしていない引き算の芸能なので、自由に足し算をして見てもらいたい。全て分かってもらわなくてもいい。見るたびに発見があると思う。皆さんは280年前と同じものを見たということ」と話した。

 市内から訪れた女性は「去年もおととしも来ている。知識豊富な満次郎先生の話はとても分かりやすく、何かしら楽しく勉強させていただける。御用邸でしか体験できない仕立ても魅力的。満次郎先生の公演は必ず晴れる」と話した。

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