建築設計事務所「ビルドイースト」(沼津市足高)が2月14日、トレーラーハウス「WorkBox(ワークボックス)トレーラー」完成披露会を行った。
これまで、工場や商業施設などの設計を中心に手がけてきた同社。トレーラーハウスは、長さ11メートル、幅3.4メートル、高さ4.1メートルで、飲食店や美容院などの営業に必要な設備の注文やレイアウトに対応する。
石澤浩一社長は「トレーラーハウスは建築確認申請が不要で、市街化調整区域でも設置できるため土地の有効活用にも役立つ。開業コストの大幅削減にも期待できる」と話す。
披露会ではカフェ営業を想定したトレーラーハウスを設置。床面積30平方メートルというトレーラー内部にはカウンター席やテーブル席、トイレも付属する。この日は購入予定者など約30組が来場し、内部を見学したり設計担当者に拡張性能などを聞いたりしていた。
トレーラーハウスを活用した出店を検討しているという「ヤマカ水産」(沼津市下香貫)の小松寛社長は「100年以上干物の製造をしているが、干物をおいしく食べてもらう文化を広めたい」と意気込む。会場ではこの日、小松社長がトレーラーハウス内で調理した干物定食などを来場者に振る舞う営業体験を行った。「新業態を考えている当社にとって店舗面積もちょうどいいサイズ。土地代や税金などのコストも抑えられ、負担なく運営ができるのでは」と話す。
同社では4月から、3カ月間お試しでトレーラーハウスを使った営業体験を希望する利用者を募集する。期間内の家賃は無料で、水道光熱代は実費を利用者が負担する。
石澤社長は「起業などにチャレンジする環境を作り、新しい可能性を発掘していきたい。移住者にとって起業や独立は大きな問題。費用のハードルを下げることで、沼津への移住も促進できたら」と期待を寄せる。