「マルサン書店 長泉町下土狩薄原交差点出張所」（長泉町下土狩）が7月3日、オープンした。

マルサン書店 長泉町下土狩薄原交差点出張所（関連画像4枚）

　マルサン書店は1902（明治35）年、沼津市上土町で創業した老舗書店。現在は沼津市と清水町に店を構えるほか、沼津市や駿東郡などの小中学校の教科書を取り扱っている。

　同出張所は、出版社の協力の下、小学生向けの児童書や図鑑、洋書、夏休みの課題図書などの見本約600冊をそろえ、訪れた人が自由に本を読むことができる。定期的に入れ替えも行う。敷地面積は約11平方メートル。夏季限定で製茶店「茶通亭」の冷茶を無料提供する。

　同社常務執行役員の杉山孝さんは「売らない貸さない買い取らない書店。本や新聞を読まない人が増えているので、子どもの数が増えている長泉町で、小さい頃から本に触れる場を作りたいと思った。その子たちが成長し本の存在が日常に増え、書店や図書館に行く機会を増やすのが狙い」と話す。

　同出張所スタッフの高田紗友美さんは「書店でもなく図書館でもないということを理解し受け入れてもらうのに時間がかかると思っていたが、既に多くの方に来てもらっている」と笑顔を見せる。

　育児援助活動を行う「ファミリー・サポート・センター」（長泉町中土狩）会員の奥田久美子さんは「預かっている児童と共に訪れている。持って帰ることができない本というのが不思議な感覚だったが、この場所にまた来れば読むことができる。新しい本が読めるのがうれしい」と話す。

　杉山さんは「利益は出ないが地域に恩返しをしていきたい。今後は2階に勉強スペースを作りたい」と意気込む。

　営業時間は13時30分～17時。営業日はインスタグラムで確認できる。