修禅寺(伊豆市修善寺)で5月1日~26日、食事会「修善寺御膳」が行われた。
修善寺温泉の旅館の料理人による創作精進料理を提供する同企画は、2000年から毎年初夏の時期に開催。今年は3週間にわたり行われ、参加者30人が「もどき料理」などさまざまな料理を楽しんだ。
提供するメニューは伊豆の食材を中心とした精進料理の創作コースで、同温泉旅館の料理人からなる修善寺調理師会のメンバーが献立を考えて作り上げている。今年は旅館「あさば」(同)料理長である佐野誠さんが献立を担当し、同調理師会の11軒の旅館で分担して調理した。
献立は肉・魚・乳製品などを一切使わない精進料理で、肉に見立てた「がんもどき」などの代表である「もどき料理」が特徴。今年はマイタケを用いた「牡蠣(かき)もどき」、飛龍頭(ひりゅうず=がんもどき)、シイタケとフキの御飯などをはじめとした13品が並んだ。
料理人の説明を聞きながら、1時間半のコースを楽しんだ参加者は「毎年参加しているが、素材本来の味がしっかり味わえる料理で楽しい。魚料理が苦手なので、精進料理はどの品も食べることができるのでうれしい」と話した。県外からの参加者もあり、年々リピーターの割合が高くなっているという。
同調理師会長の柴山崇志さん(「柳生の庄」調理長)は「修善寺御膳は、一品一品違う旅館の板前さんが担当して作っているので、一度に全部の旅館の味を楽しめる料理といえる。地域の活性化のために始まった企画だが、精進料理ということも生かし、外国人観光客やイスラム圏の方々のことも念頭に置きながら今後も続けていきたい」と話す。