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沼津御用邸で「玉座」が限定公開 皇室の歴史を身近に

玉座用肘掛椅子

玉座用肘掛椅子

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 沼津御用邸記念公園(沼津市下香貫)で現在、西付属邸の謁見(えっけん)所が限定公開されている。

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 沼津御用邸は、1893(明治26)年に大正天皇(当時の皇太子)のご静養のために建設された御用邸の一つ。昭和天皇も幼少期にこの御用邸でお育ちになり、1969(昭和44)年まで利用されていた。

 現在は沼津市が管理する記念公園となり、庭園は市民たちの散歩の場として、西付属邸には皇室ゆかりの所蔵品の展示を行っている。

 今回の特別展示は、普段見学コースから離れている、天皇が来客者と会談を行われる「謁見所」をコース内に入れたもの。

 謁見所には「玉座用肘掛椅子」が展示され、間近で見学することも可能。玉座の高さはおよそ1メートルで、着座部や背もたれは紫の西陣織で作られている。

 施設担当者は「制作された時期は不明だが、明治期のものでないかと推測される。大正天皇・昭和天皇が利用された記録があり、沼津大空襲では事前に防空壕(ごう)に移されたため、戦火を逃れることができた。焼けてしまった本邸にあったものでは、珍しいものの一つ」と話す。

 この日観光で訪れた千葉県在住の70代女性は「とても品格があり、威厳を感じる。100年以上の歴史のある、皇室ゆかりのものを見られてとてもうれしい」と話す。

 開館時間は9時~16時30分。

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