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「一日山中城主」募集 三島市のクラウドファンディングで

山中城址の名物である「障子堀」を背景に、「殿」の出現を待つ家臣(市職員)ら

山中城址の名物である「障子堀」を背景に、「殿」の出現を待つ家臣(市職員)ら

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 三島市が7月から公募しているクラウドファンディング「みしまの文化百花繚乱(りょうらん)」企画の終了が8月末に迫った。ガバメントクラウドファンディングサービス「ふるさとチョイス」で呼び掛けている。

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 企画は、同市全体を舞台として行う文化フェスティバル「みしまの文化百花繚乱」をサポートするもの。目標金額は200万円で、集まった資金は同イベントの支援に使用。支援した金額はふるさと納税の対象となる。

 しかし、8月26日現在の応募金額は全体の約14%にあたる27万2,000円ほど。同企画を担当する文化振興課の小柴昂之さんは「目標金額に達するのも目的だが、豊富な三島の文化や返礼品のラインアップを見て、三島の文化の広さを知ってほしい」と話す。

 返礼品には個性的な品が並ぶ。段ボール製の組み立て甲冑(かっちゅう)「紙よろい」や、絵本作家・宮西達也さんの直筆サイン付き複製原画、佐野美術館(南田町)で行われる企画展開催中、日本刀に触れる体験なども含まれる。

 その中でも極めて異彩を放つのが、同市東部にある山中城跡(山中新田)の「一日城主」体験。

 山中城は北条氏によって築城され、小田原城の支城として位置付けられる。箱根十城の一つ。城への攻撃を避けるため、「障子堀」「畝堀」などが設置されているのが特徴。築城は豊臣軍の北条攻めのときまでに間に合わず落城してしまったが、現在は障子堀の部分に保護を目的として芝が敷かれ、その景観を保っている。

 城主体験は5万円以上の寄付をした人が対象で、先着1人。城主体験の内容は、市職員や学芸員たちが鎧姿の兵士の姿で殿を出迎える。城主は家臣らの案内で城跡を散策したり、説明を受けたりして視察。通常は出入りが制限されている障子堀内にも入れる特典も用意する。

 26日18時現在、「城主」を名乗る寄付者はまだおらず、現在も城は城主不在の状態のまま。家臣役も務める小柴さんは「そうなかなか体験できないことで、城や歴史の好きな人には特別なこと。約500年ぶりの殿のお戻りを祈念し、家臣一同待ち続けたい」と城主の参上を呼び掛ける。

 クラウドファンディングは8月31日24時まで。

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