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沼津の食料品店がリニューアル リノベーションスクールきっかけに

福島屋と改装に携わったメンバーたち

福島屋と改装に携わったメンバーたち

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 食料品店「福島屋」(沼津市魚町)が3月9日、リニューアルオープンした。

改装前の福島屋

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 同店は1877(明治10)年、海産物や乾物を扱う商店として創業。現在は4代目店主の阪東邦彦さんが社長を務める。市内の飲食店を中心に豆類や昆布などのだし、珍味などを販売している。

 店舗は狩野川沿いに位置する。阪東さんは「蔵にしまってあった1902(明治35)年当時の帳簿を見ると、海産物や乾物などが船で川を上ってきて店舗に到着し、店舗に到着した商品は多くの料理店などで扱われてきた。戦前の御用邸もこの店の常連だった」と話す。

 今回の店舗改装は、2020年に行われた「沼津リノベーションスクール」の事業継承ユニットメンバー9人が手掛けた。同メンバーでデザイナーの矢田美紀さんは「新型コロナウイルス感染症の影響もあり工期が先延ばしになっていた。それぞれの専門的な力や可能な時間を割いて福島屋をリブランディングする際、同店の取り扱う豆類の種類の多さと専門性に着目した。ECサイトと店舗のリニューアルによって、今までリーチできなかった若年層の取り込みを行いたいと考えた」と話す。

 阪東さんはメンバーの提案を受け「自身では考えていない点に注目してもらい、面白いと思った。以前店舗裏の蔵部分をリノベーションしてゲストハウスにする案を受け入れ、実行した実績があり、今回の提案を受け入れた。マンネリ化する店舗に新しい風を入れたい」と話す。助成金などを活用して店舗の改装に踏み切った。

 3日間に渡わたる店内改装作業には、延べ15人のボランティアスタッフが参加。リノベーションスクール沼津の講師で、自身もボランティアスタッフとして参加したフェリシモの児島永作さんは「スクールを実施しても提案だけで終わらせない、実施までする意気込みがメンバーにあった。自分も1人でもリノベーションして実行する意思があったが、その思いが阪東さんに届き決断してくれたと思う」と振り返る。

 阪東さんは「市内の中心部にある店舗だけに一時は用地買収の話も合ったが、4代続く店舗を求めてくる顧客は多く、店を閉めるという判断はなかった。今後も多くの人に愛される店を目指していきたい」と笑顔を見せる。

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