伊豆・松崎から修善寺温泉までを走る山岳レース「伊豆トレイルジャーニー2021」が12月12日、開催された。
同大会は2013(平成23)年に始まったトレイルランニングレース。松崎新港(賀茂郡松崎町)から修善寺総合体育館(修善寺)までの約70キロの山道を走る「ITJ70k」と、あまぎの森(伊豆市湯ヶ島)から修善寺総合体育館(修善寺)までの約29キロをエイドステーションでの給水・給食をせずに走る無補給レース「Around Alone 28k」の2つのコースを用意する。
累積標高差上り約3000メートル、下り約2900メートルの「ITJ70k」の制限時間は14時間で、2021年大会には国内から約1400人が参加した。
同大会総合プロデューサーの千葉達雄さんは「新型コロナウイルス感染拡大の影響で正式な大会可否決定が9月となり、中止になった場合も想定しながら準備を進めた。開催を正式決定してからは例年の約半分の時間での準備となり、苦労した。『新型コロナワクチンの2回接種もしくはPCR検査の陰性証明』を新しい参加基準とし、あまり前提がない中でのオペレーションで、なるべく選手に負担がない形と感染対策の両立させることに腐心した」と話す。
5時間46分34秒で山岳ランナーの上田瑠偉選手が優勝した。上田選手はゴールテープを切った後、自身の子どもを抱き上げた。
上田選手は優勝者インタビューで「楽しかった。終始余裕を持って走ることができた。とても調子が良く、こがね橋を過ぎたあたり辺りで、今日はいけるなと思った。8月に参加したフランスの『UTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)』の約56キロのレース『OCC』は良い結果ではなく、先月はぎっくり腰になった。そんな中でも自分のポジティブな要素を見つけ、信じ抜くことが勝利につながったと思う。久々の70キロで不安もあったが、自信を持ってスタートラインに立つことができた」と話した。「2022年はレースが目白押し。コロナが落ち着いて、今年以上に自由に海外に行ければ。2つの世界選手権で金メダルを狙う」と意気込む。
千葉さんは「日本のトップアスリートが集結し本年国内最高レベルの大会となった。スカイラニング世界チャンピオンの上田選手が参戦したことで、スタートから非常に早いペースでレースが展開した」とレースを振り返り、大会について「例年多くのボランティアと共に行うコース整備でコースコンディションも良かったし、天候にも恵まれた。常に『新しい伊豆の旅を創造していくこと』を守るために、常に変化し続けていきたい」とも。