来宮神社(熱海市)で7月15日・16日、「熱海こがし祭り」開催された。
来宮神社の例大祭として、約1300年前から行われているという同祭。焦がした麦を神に奉納したことが由来となっている。
当日は神事の後、地元住民らがオリジナル山車の豪華さを競い合う「山車コンクール」を行う。
都市部と地元をつなげる「マツリテーター」として同祭に参加する一般社団法人「マツリズム」代表理事の大原学さんはこがし祭期間中、都心の親子を対象とした体験プログラムを行った。
プログラムでは、神奈川・東京などの都市部に在住する親子を対象に、祭りの由来や伝統、地域の特徴を伝えるオリエンテーションを6月から展開。祭り当日は、はっぴなどの衣装を着て地元住民とみこし担ぎ体験を行う。
大原さんは大学在学中、友人の誘いでよさこいを体験。まつりの熱量に圧倒され、その魅力にのめり込んだという。大学卒業後は外資系金融会社に就職。祭り参加は一時離れていたが、大阪勤務をきっかけに地域の祭りに参加した。
大原さんは「それまでひとつの踊りに徹していたが、大阪での祭りを見た時、各地域の魅力と伝統が入っていてとても魅力を感じた」と話す。
その後金融会社を離職し、東京・墨田区に移住したのをきっかけに「祭りを中心として起業できないかと考えた」と大原さん。2016年には同法人を設立。今年で3年目となる。
大原さんは全国の祭りに参加する「 Ma-tourism」を推進するほか、動画やコミュニケーションを活用し、祭りの価値を向上するワークショップなど行っている。
日本財団の「海と日本プロジェクト」の助成を受けたという今回の企画。大原さんは「人と地域の支援を受けながら、消滅していってしまう祭りを盛り上げ、祭りに関わる担い手の応援を行っていきたい」と意欲を見せる。