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伊豆の月光天文台作成のカレンダー、製作佳境に 「分かりやすさ」目指して40年

歴代のカレンダーを前に並ぶ、(左から)神田さん・蒔田さん・渡邉台長

歴代のカレンダーを前に並ぶ、(左から)神田さん・蒔田さん・渡邉台長

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 月光天文台(函南町桑原)のカレンダー「太陽・月・星のこよみ」が現在、製作の佳境を迎えている。

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 同カレンダーは、天文台が同所に移転した1976(昭和51)年から製作を始めたもので、今年で40年目を迎える。同天文台の出来事やその年の天体現象などを分かりやすく情報発信するために、カレンダーを企画したという。

 創刊当時から編集に携わっている渡辺裕彦台長は「当時も天体の様子を発表する媒体はあったが、一般向けには難解な表現が多かったため、より多くの人に天体の魅力を伝えようと考えた」と当時を振り返る。

 同じく当時からカレンダーの編集に携わっている蒔田裕成さんは「当時はコンピューターもなく、全てが手作業の時代。職員たちが手分けして製作することも多く、イラストも自ら担当したことも今となってはいい思い出」と話す。

 現在は月の満ち欠けのほか、その月に発生する天体イベントの一覧や、潮の満ち引き、天文に限らず科学史の記念日なども記載。渡辺台長は「天文学だけでなく科学全般に興味を持ってもらえるきっかけになれば」と期待を寄せる。

 発行部数は約10万部。個人の天文ファンだけでなく教育機関による購入も多く、そのほとんどはリピーターという。10年ほど前からカレンダーの製作に携わる神田善國さんは「毎年カレンダーを待ってくれる人も多い。前月・翌月のカレンダーを表示したり、カレンダーの表面は前年に話題になった天体ニュースを模したデザインにしたり、天文写真家からの写真を採用したりと、利用者からのリクエストや要望に応えながら毎年少しずつ進化している」と話す。

 次号の表紙については「ニューホライゾンが冥王星の表面を捉えたものを表紙にしたい」と明かし、「出来上がりを楽しみにしてほしい。8月過ぎにはお披露目できる」とも。

 今後について渡邉台長は「世界的にも詳細に情報を載せた天体カレンダーは珍しい。今後は蓄積した情報と要望を重ねながら、日本だけでない海外の天体カレンダーも開発したい」と展望を話す。

 販売開始は9月を予定。販売価格・時期はホームページで発表する。

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