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27年前に発見の小惑星に「丹那」の名 函南町の月光天文台

観測した天文台にて「丹那」の星を記録した写真を持つ渡邉台長

観測した天文台にて「丹那」の星を記録した写真を持つ渡邉台長

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 月光天文台(函南町桑原)で1988(昭和63)年に発見された小惑星(登録番号14843)に「丹那(たんな)」と名付けられたことが分かった。

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 この小惑星は、当時天文台の観測主任だった大島良明さんが1988年11月12日、同天文台が所有する口径50センチの反射望遠鏡で観測し発見したもの。小惑星「丹那」は火星の軌道と木星の軌道の間を約3年4カ月の周期で回り、次回太陽に最も近づくのは今年の7月19日。大きさは直径約2キロと考えられ、直径約1キロの丹那盆地2つ分に当たる。

 小惑星の命名を提案する権利は発見者にあり、アメリカにある国際天文学連合小惑星センターに申請し、審査を経て決定される。今回の命名は天文台による発案で、JR東海道本線の熱海-函南間にある丹那トンネルが開通80周年を迎えたことを記念して大島さんに働き掛け、昨年7月に申請された。

 前回、2013年に「函南(かんなみ)」を申請した時は1カ月ほどで決まったが、今回の登録について渡辺裕彦台長は「半年以上が過ぎ忘れかけていたところ、3月5日発行の『小惑星回報』に掲載されていて驚いた。全国的に知られている丹那トンネルにちなんだ名前で、皆さんが星に興味を持つきっかけになれば」と語った。

 研究主任の蒔田裕成さんは「『函南』『丹那』を発見した当時は、アポロ型小惑星(地球に接近する軌道を持つ小惑星)を大島さんが日本で初めて発見したころで、大島さんは連夜観測に打ち込んでいた」と当時を懐かしむ。

 月光天文台での観測により発見された小惑星の数は176個に上り、大島さんが発見したものが61個、同じく天文台職員だった香川哲男さんが発見したものが98個あり、そのうち「伊豆」「駿河」「遠江」など14個の小惑星に名前が付いている。

 月光天文台は「残り174個の小惑星の命名は財産と考えている。多くの人に関心を持ってもらえるような良い名前があれば、地域貢献としてこれからも申請していきたい」と語った。

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