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丹那盆地で「土地の記憶」がテーマの展示会-地震経験者たちのトークショーも

丹那の記憶を企画した住さん。左が証言映像で、右が丹那の切り抜かれた写真たち。

丹那の記憶を企画した住さん。左が証言映像で、右が丹那の切り抜かれた写真たち。

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 函南町丹那のギャラリー「kurubushi-base(=クルブシベース)」で、「クリフエッジプロジェクト―丹那の記憶」展が開催されている。

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 同展は、三島市在住の美術家・住康平さんによる企画で、住さんが描いた丹那盆地周辺をテーマにした絵画作品や、同地域を撮影した写真、映像作品などで構成する。

 作品や資料は、住さんが美術家としての視点で収集・制作したものがメーンで、美術作品と歴史的な資料が融合する空間を演出する試みが行われている。

 展示スペースには、断層図や等高線をモチーフにした絵画作品をはじめ、当地の真下を通る丹那トンネルの16年にわたる難工事の資料、1930(昭和5)年のトンネル工事中に起こった丹那断層を震源とする北伊豆地震当時の写真、地震経験者の地元住人へのインタビュー映像などを展示し、丹那という地域の歴史や地理的な特性を知ることができる展示となっている。

 プレ開催で開いたワークショップ「タンナ路上観察会」では、現在の丹那の写真が大きな地図パネルに貼られた作品も展示。住さんは「過去のことだけでなく、現在の丹那にも目を向けることができるように構成している」と話す。

 映像作品でインタビューを受けた丹那在住の石川美代子さんは「外の地域の若い人が丹那に興味を持ち、昔の話を聞いてくれてうれしい。多くの人に見てもらいたい」と来場を呼び掛ける。

会期中、11日には「丹那の記憶を語る」と題したトークイベントを開く。第一部では伊豆地震経験者の体験談を聞き、第二部では函南町在住・出身のクリエーター、原田康補さん、松下理恵子さん、小林英治さんの3名が「わたしたちは伊豆から何を発信できるか」をテーマにトークを行う。

 丹那地域の特徴について住康平さんは「丹那盆地は箱庭のような不思議な魅力のある場所。展覧会だけではなく、周囲を散歩して丹那をゆっくりと楽しんでほしい」と話す。

 開催時間は10時~19時(最終日は17時まで)。11日のトークイベントは、長光寺(函南町畑)で13時30分開演。同イベント参加費=500円。10月12日まで。

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