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沼津の調香師がタチバナのアロマミスト販売 地域の「ストーリー」重視して

「いにしえの香」を持つ狩野さん

「いにしえの香」を持つ狩野さん

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 沼津・戸田産のタチバナを使ったアロマオイル「いにしえの香」シリーズ2種が6月18日、発売された。

「遙かなる富士の山」(左)と「不老長寿」

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 沼津市在住の調香師である狩野順子さんが調香・プロデュースする商品で、「不老長寿」と「遙(はる)かなる富士の山」の2種。どちらも戸田産のタチバナを使っている。

 タチバナは、日本に古くから野生していた日本固有のかんきつ類の一種で本州の一部、四国、九州などに自生しているのが確認されている。戸田地域は、タチバナの自生する北限として知られていて、小ぶりな実は香り高く、酸味が非常に強いのが特徴。ミカンのような生食には向かないが、戸田地域ではマーマレードなどの加工品に使われている。

 狩野さんは今回の商品開発のきっかけについて「自身が大病をしたことがきっかけに、体だけでなく心の健康も大事だと考え、アロマセラピーや調香に関連する資格を取得した。今回、癒しの商品開発を考えた時に、以前から地元特産のタチバナを使いたいという想いに繋がった」と話す。

 タチバナは、日本書紀に不老不死の霊薬と記述されていて、「不老長寿」にはリラックス効果を、「遙かなる富士の山」にはリフレッシュ効果を狙い、「不老不死の果実を求め、前向きに探求していったという日本書紀に記されたストーリーをイメージして作った」(狩野さん)という。

 「新型コロナウイルス感染症の影響もあり、自宅にこもりがちな生活が多い中、ミストとして部屋に香りを満たせば落ち着いた爽やかな雰囲気になる。この香りで富士山や戸田の景色を想起してもらえれば」と話す。「日常使いできるだけでなく、贈答品として選んでもらえるような商品に育てていきたい」とも。

 価格は3,850円。現在はECサイトでのみ取り扱っている。

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