静岡県長泉町は8月3日、下土狩駅を中心とする約4キロ圏内でAIオンデマンド交通「SPICE BOX(スパイス・ボックス)」の本格運行を始める。
同町は自家用車を持たない首都圏からの移住者も多く、住民の移動ニーズが多様化していたことから、交通空白地の解消を目指し、2023年1月に既存の自主運行バスを南北線と循環線に再編した。しかし、循環線は利用者が少なく、2025年12月末で運行を終了。
こうした状況を受け、町は新たな移動手段として同サービスの導入に着手。2024年度に無料でニーズ調査、翌2025年度には有料で実証運行を行った。有料化後も利用状況は底堅く推移し、「継続してほしい」との声が多く寄せられたことから、今回の本格運行に至った。
同町企画財政課の坂田優斗さんは「SPICE BOXは単に移動機会を増やすだけでなく、車内で運転手や相乗りした人同士の交流の場を生み出している。地域に定着することで、車社会の課題となっている高齢者の運転免許証自主返納の背中を押すことにもつながれば」と期待を込める。
運行を受託する「うさぎ企画」(長泉町)代表の森田創さんは「私自身もマイカーなしで移住し、移動に不便を感じていた。サービスを通じて乗客や運転手、停留所となる店などの交流が活発化し、毎日の外出が楽しく、いつまでも住み続けたいと思ってもらえる『動く公民館』のような展開を目指したい」と意気込む。
停留所は町内40カ所。運行時間は8時30分~17時30分。運賃は、3キロ以内=大人350円・小学生200円、3キロを以上=大人450円・小学生250円。未就学児無料。乗車申し込みは同町の公式LINEアカウントで受け付ける。