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沼津の川辺で「一夜限りの映画館」 自分の「居心地のいい場所」探して発展

会場となる川辺で映画について話す大木さん

会場となる川辺で映画について話す大木さん

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 「スキマcinema」が6月19日、「狩野川風のテラス」(沼津市上土町)で「狩野川ナイトシアター」を行う。

今回会場となる狩野川河川敷

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 イベント 「The Living Blue Teather」の一環で、狩野川階段堤に約200インチのスクリーンを設置し、チェコのアニメーション映画「クーキー」を上映する。

 「スキマcinema」は、空きビルや休業中の銭湯、夜の公園など、毎回違ったまちの隙間空間で映画を上映する移動式ミニシアター式上映会。会場ごとに作品を替え、2017(平成29)年から毎月上映会を行っている。

 スキマシネマを主宰するグラフィックデザイナーの大木真実さんは「結婚を機に沼津に引っ越し、当初は単館上映をしている映画館によく通っていたが、数年前に映画館が廃館となり、寂しく思っていた。そんな折に遊休不動産の活用方法について知るきっかけがあり、映画上映の可能性に気付き『スキマcinema』を始めた。場所をまず決めて、そこに合う作品を選び上映を行っている」と話す。

 今回上映する「クーキー」はチェコで初登場1位、本国では「トイ・ストーリー3」を上回る大ヒットを記録し、チェコのアカデミー賞と呼ばれる「チェコ・ライオン賞」で4冠に輝き、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭・審査員特別賞を受賞している。捨てられたテディベアが冒険を繰り広げる物語で、パペットやミニチュア、VFXを駆使している。

 大木さんは「東京から沼津に来た当初は居場所がなく疎外感を感じていたが、今はこの企画がきっかけとなり、自ら動いて環境を作る大切さを実感した。今では『スキマcinema』がライフワークになっていて、コロナで1年半やれない間は物足りなさを感じた。今回はリビングブルー実行委員会から映画上映の提案をもらい『高校生カップルも楽しめる作品を』との依頼がありこの作品を選んだ。自宅のパソコンなどでも映画鑑賞ができる時代だが、同じ空間で人の気配を感じながら一緒に見る映画体験を味わってほしい」と来場を呼び掛ける。

 近年増加している移住者に対しては「自身が居心地がいいと思うコミュニティーを探し、ない場合は自身でつくり上げることも大事。走りだしたときは多くの人が応援してくれ、やがてそれが住み心地の良さにつながる」とエールを送る。

 19時上映開始。チケット料金は1,000円、3歳以下無料。 定員は50人。雨天中止。申し込みはスキマcinemaホームページで受け付ける。

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