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沼津の道の駅に「タチバナ湯」 冬至にちなみ企画、戸田特産のタチバナ使う

タチバナを持つ中村駅長

タチバナを持つ中村駅長

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 道の駅「くるら戸田」(沼津市戸田)内にある日帰り温泉施設「壱の湯」で12月22日、冬至にちなんだ「タチバナ湯」サービスが行われた。

冬至の風呂に使われた戸田産のタチバナ

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 同駅によると、タチバナは日本固有のかんきつ類で、四国、九州などに多く自生している。自生の北限として知られる戸田地域は、タチバナの日本最大の自生地。小ぶりな実は香り高く、酸味が非常に強いのが特徴で、戸田地域ではジャムや茶、アロマオイルなどに加工されている。タチバナは古事記にも登場し、田道間守が常世国から持ち帰った不老不死の木の実「ときじくのかぐのこのみ」といわれている。

 「壱の湯」は、1986(昭和61)年4月に湧き出た戸田温泉の源泉かけ流し。2015(平成27)年のオープンから、旅行者だけでなく地元民の利用も多い。冬至に合わせて行う「タチバナ湯」は今年で4回目。戸田森林組合から購入したタチバナを使った。小ぶりの実が特徴のタチバナ約150個をさらし袋に入れ、男湯と女湯でそれぞれ1袋を湯船に浮かべた。香りが弱まってくるため、14時と18時に新しいタチバナに交換する。入り口と脱衣所の洗面台にはタチバナの実を置き、希望者は無料で持ち帰ることもできる。

 同駅長の中村政明さんは「戸田特産のタチバナを知らない観光客からは『ユズなのかと思った。タチバナの香りを初めて嗅いだ』などと反響をもらった。戸田森林組合がヘタの茎を丁寧に切ってくれた質の良いタチバナなので、今年は希望者への持ち帰り用も準備した。地元住民はもちろん、観光客にもタチバナ湯を楽しんでもらえたら」と話す。

 訪れた地元の女性客は「『戸田トロはんぺん』を購入するために戸田に来た。インターネットで調べたところ道の駅に温泉があると知りここに寄った」と話す。東京から訪れた女性は「達磨山の登山帰りに温泉に入りに来た。沼津の知人からここの温泉がいいと薦められた。タチバナのことは知らなかったが、とてもいい香り。タチバナ湯のタイミングで来ることができてうれしい」と笑顔を見せていた。

 中村さんは「毎日入りに来てくれる地元の人も多い。泉質がいい、肌がしっとりして保湿が持続すると女性のリピーターも多い。この季節だけでなく、戸田に足を運んでもらえたら」と話す。

 営業時間は10時~21時。入浴料は、大人=500円、小人=250円。

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