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沼津の国重要文化財「松城家住宅」一般公開へ 補修に10億円、6年の歳月

保存修理工事が完了した国重要文化財の松城家住宅

保存修理工事が完了した国重要文化財の松城家住宅

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 国重要文化財「松城家住宅」(沼津市戸田)の保存修理工事が完了し、11月3日から一般公開される。

幾何学紋様の天井とシャンデリア

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 松城家住宅は回船業で財を成した2代目松城兵作が1872~1876年に建てた。全国でも珍しい擬洋風建築の個人住宅で、2006(平成18)年に建造物としては市内で唯一の国指定重要文化財に指定された。

 母屋の建築面積は266平方メートルで、木造2階建て。2階外壁は石積み風に仕上げた白しっくいで、壁や天井のランプのつり元には、松崎町出身の左官の名工、入江長八のしっくいこて絵が飾られている。

 母屋2階は、明治初期に輸入されたポルトガル製の幾何学紋様の天井紙に、米国製オイルランプ式のシャンデリアが飾られ、床は畳敷きの和洋折衷。入江長八の1876年の作品「雨中の虎」も飾られている。

 建てられて約150年たち、老朽化や雨漏りで破損が進んだため、市は2016年(平成28)年から初めての大規模保存修復工事を行った。費用は約10億円。改造で撤去されていたバルコニーや平成初めに取り壊された風呂を復元した。よろい窓は色分析を行い当時と同じ鮮やかな緑色にした。

 沼津市文化振興課の筒井久美子さんは「当時の建物になるべく近づくよう復元を行った。これから先100年の耐震も見据えている。約150年前の港町戸田に、このような立派な建物が建てられた。松城家住宅の魅力は一言では言い表せないほど見どころだらけなので、多くの人に見に来てほしい」と話す。

 開館時間は9時~16時30分。水曜休館。入館料は大人=300円、中学生以下=100円。

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