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沼津の洋菓子店がタチバナ使ったフィナンシェ販売

原材料のタチバナを持つ袰岩さんと、フィナンシェを持つ大和さん

原材料のタチバナを持つ袰岩さんと、フィナンシェを持つ大和さん

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 洋菓子店「ヴォア・ラクテ」(沼津市花園町)が2月9日、新商品「たちばなフィナンシェ」の販売を始めた。

タチバナフィナンシェ

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 同商品はプレーンとチョコの2種類を用意し、価格は1個=220円(税別)。大和美佐子社長は「コロナ禍でバレンタインの出費も減少傾向にある。現在は物価高でチョコレートも50%近い値上げがあるが、安価でありながら地域の特色を生かせる商品の開発を考えた」と話す。

 同社が使うタチバナのピューレを開発した「スプレッド企画」(伊豆の国市原)の袰岩(ほろいわ)敬蔵社長は「戸田地域はタチバナが自生する最北端と言われる。日本古来のかんきつであるタチバナは日本書紀では『不老不死の実』として記されているなど、ストーリー性の強い果実」と話す。

 袰岩社長は「戸田地区でタチバナはオイルや香料の原料としてこれまで使われてきた。食品利用は、実が小さく種も多いため課題が多く、何度もチャレンジしたが成功には至らなかった」と話す。

 袰岩社長によると、今回は静岡県産業振興財団の支援を受け、フードランド(浜松市)が保有する融解技術を活用。タチバナをまるごと溶かしたピューレを作り、加工品に使えるよう工夫したという。

 大和社長は「タチバナの香りはもちろん、酸味やほのかな苦みも残るよう作った。バレンタイン時期に『友チョコ』ならぬ『友フィナンシェ』として利用してもらい、地場産品にも関心を持ってもらえたら」と話す。

 袰岩社長は「ピューレはまだ試作品中だが、沼津の地域を代表する産品として成長させていきたい。このピューレを使って、さまざまな商品開発につなげていけたら」と意気込む。

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