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沼津の旧銭湯で造形作品展 約900点の作品ずらり

女湯のモニュメント「火の精」と兼子さん(左)と池谷さん(右)

女湯のモニュメント「火の精」と兼子さん(左)と池谷さん(右)

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 沼津市にかつてあった銭湯「吉田温泉」の跡地(沼津市吉田町)で9月24日から、「風の子造形教室展」が行われている。

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 会場となった吉田温泉は1881(明治14)年ごろに開業した大衆浴場。沼津大空襲により1945(昭和20)年に焼失したが、1950(昭和25)年に再建。静岡県には9軒の大衆浴場があり、同所は最後の大衆浴場といわれていたが、2016(平成28)年6月に休業した。

 4代目の長女である兼子京子さんが、「寄り道して鑑賞できそうな、敷居の低い美術館があればいいのに、という思いがあり、同所をアートの発信地にした」という思いから、不定期でアート展などを開催している。

 今回の展示会は「風の子造形教室」(沼津市山王台)で学ぶ4歳児から大人59人が制作したアート作品約900点。当初5月に開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期となっていた。

 大型の丸浴槽には段ボールや毛糸、ビニール傘などで作った高さ約1.8メートルのモニュメントを設置。男湯には「水の精」女湯には「火の精」が飾られている。2階の畳の休憩室には約50人で縦2.3メートル横4.7メートルの帆布にアクリル絵の具や墨などで太陽や建物の絵を描いた作品「夕日の街」も展示されている。

 同教室主宰の池谷博子さんは「銭湯に行ったことのない子どもたちは、写真を見てイメージを膨らませ、制作に当たった。開催が延期になったのが幸いに転じ、多くの作品が仕上がった」と話す。

 4歳から同教室に通う原季実珂さん(12)は「銭湯には行ったことがないが、写真を見て『和風』をイメージして制作した。作品を見て感動したり印象に残ったりしてもらえたらうれしい」と話す。

 兼子さんは「古い建物と写真や造形などのアートを組み合わせた展示会などを今後も企画できたら」と今後の活動に意欲を見せる。

開催時間は10時~18時。今月27日まで。

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