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沼津の水族館で「オオスナモグリ」展示 生体では日本初、生態の追求目指す

展示されているオオスナモグリと水野さん

展示されているオオスナモグリと水野さん

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 「伊豆・三津シーパラダイス」(沼津市内浦長浜)で8月9日、絶滅種と考えられていた甲殻類「オオスナモグリ」の展示が始まった。

同館で展示されているオオスナモグリ

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 「オオスナモグリ」は関東の太平洋側から沖縄にかけての地質時代区分で中期更新世から完新世の地層から化石が確認されているだけで、絶滅したと考えられてきたが、2016(平成28)年に高知県土佐市で、2017(平成29)年に沼津市で捕獲された。

 同館は2021年5月に静岡県から採集許可を取得し、6月初旬に沼津市内の河口で飼育員が「オオスナモグリ」を捕獲。千葉県立中央博物館動物学研究科長の駒井智幸さんにより個体の画像や同種と思われる標本などを用いて「オオスナモグリ」と特定した。

 現在、同館では捕獲した生体およそ10匹のうち、全長約7センチの「オオスナモグリ」1体を施設内の「みとしーラボ」の水槽で展示している。同館によると生きた状態での展示は日本で初めてだという。

 同館飼育技師の水野晋吉さんはオオスナモグリの特徴について「エビのように目がつぶらで、砂を少し握っては捨てる様子がかわいらしく、見ていて飽きない」と話す。今後については「いまだに生体での繁殖実績がなく、その生態は謎が多い。今後は専門家の協力を仰ぎながら研究と観測を続け、繁殖につなげていければ」と意気込む。

 営業時間は9時~17時。入場料は中学生以上=2,200円、4歳~小学生=1,100円。

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