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沼津で養老孟司さん講演会 AI化進む中「ノイズの重要性」伝える

講演をする養老孟司さん

講演をする養老孟司さん

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 令和3年度「沼津市民大学」の第2回講義が8月9日、沼津市民文化センター(沼津市御幸町)で行われた。

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 沼津市民大学は「豊かな未来をひらく」をメインテーマに、さまざまな分野から著名な講師を招き、全9回の講演会を行う。本年度は、養老さんのほか、元ラグビー選手の五郎丸歩さん、哲学者の岸見一郎さん、元NHKアナウンサーの刈屋富士雄さんなどが講演を予定している。

 第2回めの講義は、東京大学名誉教授の養老孟司さんが講演し、市民約450人が聴講した。養老さんは「コロナ新時代に生きるヒント」をテーマに、生き方のヒントについて約90分話した。現代の日本の問題点として、少子化や若者の自殺、不登校などについて言及。「デジタル化はいいことだが、自分にとって本当に必要なものか、それぞれの人がそれぞれの場で考えるべき。カーナビは出発地から目的地までスッと行ってしまう。今の人は効率を求めるが、子育てにもその手法を使ってしまうと、ナビのように子どもの人生が過ぎていってしまう」と話した。

 「人がやっていることが完全にAIに置き換えられるかは疑問。数値やデータに置き換える過程で、具体的な事実がどこかで飛んでしまう可能性がある。AI化が進むとシステムの中に入っているものしか存在せず、それ以外の物は雑音として捉えられる」とも。「人生とはあちこちで効率が悪いこと。大事なのは幼少期の体験や、目的地に至るまでのプロセス。物事について、どうしてそうなるのか考えなくてはコロナの後も先もない」と呼び掛けた。

 公演を聴いた50代の女性は「とても勉強になった。今は結果や結論を重視する世の中で、その過程のプロセスが大事なことに気付くことを失われている。プロセスと結論のバランスについて考えるきっかけをもらった。何よりも83歳になる養老先生が立ちっ放しで講演してくれる姿に活力をもらった」と感想を述べた。

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