「八幡祭」が8月23日、我入道八幡神社(沼津市我入道)で行われた。
スイカ割りも楽しんだ(関連画像5枚) = 我入道で「八幡祭」 神社の石段で流しそうめん、途絶えた祭りを再び
かつて地域で親しまれていた祭りを、実行委員会を立ち上げて開催。神社の急な石段を使った「びっくり流しそうめん」を目玉に、ちびっこスイカ割り、紙相撲大会、町民の歌、カラオケ大会を行ったほか、カレーやおむすびを販売するキッチンカー、かき氷、フランクフルト、駄菓子などの出店も並び、子どもから大人まで多くの地域住民が集まった。
狩野川河口の不動岩に鎮座し、海の幸や大漁を守ってきたとされる同神社。漁業が盛んだった昭和時代には我入道で奉納相撲大会などが行われ、子どもからお年寄りまでが集まる地域の祭りとして親しまれていたという。かつては同地区内で年に9つほどの祭りが開かれていたが、少子化や人口減少、時代の変化などにより、祭りは徐々に縮小。コロナ禍も重なり、近年は八幡祭も式典のみとなっていた。
再開のきっかけについて、実行委員長でコミュニティーナースとして我入道で活動する山本真紀さんは「地域住民から『昔は我入道で一番大きな祭りだったのに、式典だけになってしまって寂しい』『また、みんなが集まれるような形になったらいいね』という声を聞き、一度みんなで考えてみようと実行委員会を立ち上げた。昔の祭りをそのまま復活させることを目的としたものではなく、今の時代に合った形で、もう一度、八幡様を中心に人が集まる場をつくることにした」と振り返る。
企画を考える中で、神社の境内にある長く急な石段に着目。「この階段で流しそうめんをやったらどうだろう」と提案。一見無謀にも思えるアイデアだったが、話をするうちに「見てみたい」「やってみたい」という声が広がった。実行委員会では、想像しただけで人の表情が変わるようなわくわくこそが、人が集まるきっかけになるのではないかと考えたという。
当日は、石段の下から4段目付近から半分に割った竹をつなぎ、約25メートルの竹の流路を設置。急な勾配をそうめんが流れていく、今回の祭りの目玉となった。参加者は割り箸を片手に、竹の流路を流れてくるそうめんを待ち、すくい取った。取ったそうめんを竹の器に入ったつゆに漬けて味わい、普段とは一味違う野外での食事を楽しんだ。
市内から参加した小学生は「流しそうめんは初めての経験だった。傾斜が急だったので、そうめんをすくうのが難しいかったが、頑張って取って食べることができた。めんつゆの器も竹でできていてうれしかった。来年も参加できたらいいな」と話していた。
山本さんは「祭りが今後も続くかどうかはまだ決まっていない。今回だけで終わるかもしれないし、ここから別の形が生まれるかもしれない。それでも、流しそうめんのアイデアから生まれた笑いとわくわくをきっかけに、人と人がつながり、八幡様を少し身近に感じる時間をつくることができた」とも。